BUNTABI Project

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屋久島紀行 その1

場 所:鹿児島 屋久島

作 者:林芙美子

作 品:屋久島紀行

出版年:1950年

季 節:春

 

(引用)

何処まで行っても、右手は峨々とした南画風の山が連なり、高い山は千九百五六十米もあるのだそうだ。標高も七百米の小杉谷斫伐所付近では、平均気温が十六度に下り、十二月降雪を見、翌年の三月まで、積雪しているということである。高山が連なっているせいか、一日中に、晴曇雨が交わり来るところである。バスでのろのろ走っていても、時々雨がばらつき、風が吹いた。台風の通路にあるこの屋久島は、一年中豪雨に見舞われるのだが、村の財政が窮乏のため、治水対策ははかばかしく運んではいない。五月の飛魚と、甘藷、それに林業くらいが、この島の財政である。

 

(一言)

作者が屋久島を訪れたのは5月である。寒さのために風邪をひいて体調が思わしくない。この時期に火燵まである。屋久島が2千メートル級の山をもち、冬には積雪に見舞われるとはこの作品を読むまでまったく知らなかった。

 

(関連サイト)

屋久島観光協会公式ウェブサイト

(公社) 屋久島観光協会 Official Website