BUNTABI Project

BUNTABI = 文旅 / 偉大な文筆家たちの美しい文章を通じて、過去の日本を旅するProject

失われた故郷

場 所:長野 霧ヶ峰

作 者:新田次郎

作 品:山と渓谷

出版年:1959年

 

(引用)

私の過去において、最も楽しかった時代は、中学校へ入ってからの五年間であって、この間私は、私の足で歩ける付近の山々はことごとく歩いて廻った。霧ヶ峰は今のように開かれておらず、夏行くと背丈のかくれるほどの草が茂っていた。採草地であるから、付近の村々で協力して、年ごとに刈取り区画を変えていた。

 

(一言)

採草地。草を採取する土地だろうが、利用目的がよくわからなかったのでネット検索すると、「牛馬の飼料、田畑の肥草(こえぐさ)、屋根用のカヤなどを刈り取る野草地」とある。かつてはススキなどが貴重な資源として牛や馬のエサ、田畑の地力を維持するための肥料として採取され、利用されていた。一度にすべて刈り取ってしまうと困るので村の人々で共同で管理したという。採草のニーズは今は廃れている。