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BUNTABI Project

BUNTABI = 文旅 / 偉大な文筆家たちの美しい文章を通じて、過去の日本を旅するProject

秋の南アルプス その1

秋の南アルプス その1

 

場 所:茶臼岳(静岡/長野)

作 者:新田次郎

作 品:現代の駿河

出版年:1968年

季 節:秋

 

(引用)

起きるとひどく寒かった。晴れるぞという直感がした。きのうにくらべて、霧はずっと薄くなっているし、山のもの音が、なにもかもはっきり聞える。晴れる前兆なのだ。顔を洗いに下の川まで降りていった。紅葉が美しい。きのう来たときにはそれほど美しいと思わなかったのに、一夜明けて見て、こんなに色彩がはっきりして見えるのは、やはり光量のせいなのだと思った。このあたりには立枯れの老木が多い。立枯れの木の枝にクモが巣をかけ、その巣に露がひっかかって朝日に輝いている。数えたら、一つの木に六十ほどのクモの巣があった。

 

(一言)

茶臼岳山頂への途中の小屋で一夜を明かしたときの描写。前日は雨がちの天気だった。

 

(関連サイト)

那須町観光ガイド

http://www.nasukogen.org/trekking/