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BUNTABI Project

BUNTABI = 文旅 / 偉大な文筆家たちの美しい文章を通じて、過去の日本を旅するProject

100年前の渋谷 その1

場 所:東京 / 渋谷

作 者:田山花袋

作 品:東京の三十年

出版年:1917年

 

(引用)

宮益の坂を下りると、あたりがどことなく田舎いなかして来て、藁葺の家があったり、小川があったり、橋があったり、水車がそこにめぐっていたりした。私はそこを歩くと、故郷にでも帰って行ったような気がして、何となく母親や祖父母のいる田舎の藁葺が思い出された。小さい私は涙など拭き拭き歩いた。

 

(一言)

言うまでもなく、渋谷は最先端の若者文化の発信地である。いつでも人が混み合っている。僕も大学生時代は毎日のようによく通ってレコードなどを買っていた。夜になると学生や会社員などがお酒を飲む町だ。さらに少し前の1990年代前半の渋谷は治安が悪く、殺傷事件などもあってあまり近づけないような町だった。100年前の渋谷がそのような鄙びた場所だったということを今誰が知っているのだろうか。

 

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100年前の渋谷にはこのような茅葺きの小屋と水車があったとか(イメージ)